


理学療法士?作業療法士?
こんにちは。リハビリテーション科に所属している理学療法士です。
普段、病院に勤めていると、こんな疑問をよく耳にします。

また、このような疑問を感じておられる方も多いのではないでしょうか?
今回は、「理学療法士」と「作業療法士」について、「基本動作」と「応用動作」に着目し、私なりの考えを紹介します。
理学療法士とは?
理学療法士は、Physical Therapist(PT)とも呼ばれ、「基本動作の専門家」であると言えます。また、身体部位では「体幹・下肢への治療」を主に行う職種です。
作業療法士とは?
作業療法士はOccupational Therapist(OT)とも呼ばれ、「応用動作の専門家」であると言えます。また、身体部位では「上肢・手指への治療」を主に行う職種です。
基本動作・応用動作
今回は「食事場面」を例に、「基本動作」「応用動作」に着目して、それぞれの職種の役割について考えてみましょう。

まず初めに、ベッドや椅子から立ち上がり食卓まで移動し、食事を準備する必要があります。この一連の動作の中には「寝返る」「起き上がる」「立ちあがる」「歩く」「座る」等の基本動作が必要であり、基本動作は理学療法士の専門分野になります。
そして食卓に移動したら食事をします。また、食事の準備や食後の片付け等も必要になります。これらの動作の中には、「食器を持つ」「箸を使う」「食べ物を口まで運ぶ」等の応用動作があり、他にも「調理」「食器洗い」「片付け」「台拭き」等の「家事動作」においても応用動作が必要になり、これらの応用動作は作業療法士の専門分野になります。


つまり、様々な職種がそれぞれの専門的な視点で、一人ひとりの患者様にアプローチしているのです。
まとめ
理学療法士は、「寝返る」「ベッドから起き上がる」「椅子から立つ・座る」「部屋まで歩いて移動する」等の基本動作が専門分野であり、作業療法士は、「ご飯を食べる」「歯を磨く」「服を着替える」「お風呂に入る」「掃除をする」等の応用動作が専門分野といえます。患者様が必要としている動作に対して理学療法士と作業療法士が専門性を持ってリハビリテーションを行なっています。
例えば、病気を患いベッド上で寝ている一人の患者様がいるとします。
「ベッドに寝ている状態から起き上がり、ベッドに腰掛ける」または、「ベッドから立ち上がり車椅子に乗るや、歩いて部屋まで移動する」等の動作は主に理学療法士が行います。また、車いすに乗ることや歩いて部屋まで移動することが可能になることで、その患者様は「食堂でご飯を食べる」「お風呂に入る」「トイレで排泄する」「裁縫などの趣味を行う」等の活動も可能なります。これらの活動は主に作業療法士が行います。
つまり、私個人の考えですが、「動作において0から1を生み出すのが理学療法士であり、1を100にするのが作業療法士」であると考えています。
このように考えると、理学療法士と作業療法士の違いについて、なんとなく想像がついたでしょうか?
さいごに
他にも、当院リハビリテーション科は、「摂食・嚥下や言葉のリハビリの専門家」である言語聴覚士 Speech Therapist(ST)や「口腔衛生・口腔ケアの専門家」である歯科衛生士 Dental Hygienist(DH)も所属しています。各職種が他職種連携を取りながらリハビリテーションを行っております!!

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