
この度は、益田地域医療センター医師会病院のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
当院は、地域医師会員の地域医療にかける熱い想いを受け、高度な治療と保健予防、リハビリテーションが三位一体となった病院を目指して1987年5月に開設されました。医師会立の病院として、医師会員の先生方との強固な病診連携のネットワークを基盤として、無医地区への巡回診療の実施や医療資源の効率利用を目的とした病院施設・高度医療機器の共同利用、かかりつけ医等からの紹介に特化した外来診療など、開設当時より特徴的な運営を行ってきました。振り返れば、地域包括ケアシステムへの先進的な取り組みと言えます。その後も、地域や行政からのニーズに応える形で、2000年(平成12年)に介護療養型医療施設、2004年(平成16年)にはリハビリテーションセンター等、多様な機能を拡張し、一般急性期から回復期、慢性期、在宅までを幅広く担う病院となっています。

病院開設から40年弱を経て、新しい病院への建て替え構想に向かっての一歩を踏み出しました。新病院のコンセプトは「人が集う、人が暮らす」、しまね益田発の新地域包括ケアシステムの実現」です。人口構造の大きな転換点となる2040年を見据え、すでに厚労省では「新たな地域医療構想等に関する検討会」が発足し協議が始まっています。地域包括ケアの先駆けとなった当院が新しい病院に生まれ変わろうとする今、2040年以降の地域医療構想に先んじ、その核となる新の地域包括ケアシステムを創り上げることが新病院の目標であり存在意義です。新病院建設と真の地域包括ケアシステムの実践を成し遂げること、高齢化が先進的に進む益田地域から、島根から新しい実践モデルを全国へ発信することの意義は極めて高いものです。新しい地域包括ケアシステムモデルとして、住み慣れた地域で自分らしい人生を歩み続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体となったシステムの中心的役割を担っていくこと、それを新病院と職員と地域が一体となりこれを実現します。
これまでの病院は病気になってからその役割を発揮するところでした。暮らしの中で特別な状況での存在でした。これからの病院は暮らしそのものに密着し、病気にならないことを支える、潜む病態を未然に見つけ最適な治療へと繋ぐ、病院後もケアを継続するなど街と暮らしとともに歩む存在でなければなりません。健康や管理の相談、人びとが世間話に、暮らしの憩いに集う場であり、人々がボランティアなど培ってきた力を発揮する場として、集い支え合える「みんなの医師会病院」を目指すこと、これが「人が集う、人が暮らす」に込められています。想像を超える社会の変革に直面しどのような状況になっても、人々の健康な生活を守る役割を果たし暮らしとともに歩み続ける病院であることが最重要な存在意義です。一人ひとりを守ること、暮らしを守ること、環境を守ることを持続し続ける病院であること、私たちの目標はまさしくSDGs医療への挑戦です。新しい益田地域医療センターは、地域の暮らしを支えるためにあり、同時に地域に支えられて社会の変化に柔軟に対応できる可塑性を維持できる包括ケアシステムを担い続けます。
私たち益田地域医療センター医師会病院は、これからも「地域のための病院」として進化し続けます。どうぞ、今後とも温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。