
放射線技術科のご紹介
放射線技術科では、一般撮影、CT、MRI、マンモグラフィ、透視撮影、骨密度検査など、おもに放射線を利用した画像検査を担当しています。これら検査を適切に実施し、院内での診療支援をおこなうとともに、益田地域圏全体の医療センターとして迅速かつ正確な検査を提供することを目指しています。
CTやMRI、X線撮影などの幅広い検査に対応し、患者様に適切な診断情報を提供することを第一に考えています。検査中は、患者様の安全を最優先に考え、わかりやすい説明と丁寧な対応を心がけています。
私たち放射線技術科は、画像検査を通じて地域医療に貢献し、患者様中心の医療を実現するため、これからも努力を続けてまいります。
一般撮影検査
当院では、2台の一般撮影装置を用いて検査を行っています。一般的に「レントゲン」と呼ばれるこの検査は、X線を利用して体内の構造を画像化するものです。X線が体を透過した後、そのエネルギーは平面検出器で電気信号に変換されて画像が生成されます。
この方法により、胸部、腹部、四肢など、全身の撮影が可能です。一般撮影は迅速な検査の一つであり、日常診療における重要な役割を果たしています。

CT検査
CT装置は、X線を使用して人体の特定の部位にX線を照射し、得られたデータを基に身体を体軸に垂直方向に輪切りにした断層画像を作成する検査です。この方法により、一般撮影では確認できない内部の状態を詳細に把握することができます。当院で使用しているのは、マルチスライスCT(X線検出器が64列)で、非常に高精度な画像診断が可能です。検査の際には、造影剤(薬剤)を注射しながらおこなうこともあります。これにより、血管や臓器をより鮮明に描出できます。
さらに、当院のCT装置には体内の金属による画像の乱れを低減できる機能「HiMAR Plus」が搭載されています。この機能により、金属周辺の画質が大幅に向上し、より正確な診断が可能となっています。

MRI検査
MRIは放射線を使用せずに画像を取得する検査です。この検査では、人体の約70%を占める水に含まれる水素原子が強い磁場に反応する性質を利用して、人体のあらゆる方向の断面の画像を取得します。MRIはX線と比べて骨や空気の影響を受けにくく、脳や血管などの柔らかい組織の検査に適しています。このため、脳卒中や腫瘍、血管の異常などを高精度で診断することが可能です。
当院のMRI装置は、磁場強度が1.5テスラ(15000ガウス)で、非常に高い解像度の画像が得られます。検査中は、ヘッドフォンを用いて音楽をお楽しみいただき、検査内容によっては画像や映像を視聴しながら、快適で安心して検査を受けていただけるよう努めています。
検査を受ける際、次の項目に当てはまる方は主治医または、係員にご相談ください。
- ペースメーカーを入れられている方
- 体内に金属がある方
- 妊娠または妊娠の可能性のある方

マンモグラフィ検査
マンモグラフィは、乳房をX線撮影する検査で、乳がんや乳腺症など乳腺におこるさまざまな病変の発見や診断に役立ちます。乳腺はX線撮影で白く写る性質があり、単に乳房をX線撮影しただけでは、同じく白く写るがんや石灰化病変などを見落としてしまう可能性があります。そのため乳房を二枚の板で挟んで薄く伸ばし、乳腺の重なりを減らすことで、病変をより明確に発見しやすくしています。
当院での検査では、乳房撮影の経験豊富な技師が患者様の状態に応じて柔軟に対応し、検査中の苦痛をできるだけ和らげるよう細心の注意を払っています。

透視検査
透視撮影は、X線で体内を透かして見る(X線透視)検査です。またX線透視下で針や管を体内に挿入し、治療に必要な処置もおこないます。
内視鏡と併用しての消化管検査や処置、また骨折の整復、神経ブロックなどをおこなっています。X線透視をおこなうことで体内の構造を把握でき、診断や治療に重要な情報を提供します。

骨密度検査
骨密度検査は、骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分の量を測定することで、骨粗鬆症の診断や骨折リスクの評価をおこなう検査です。
当院では、DEXA(Dual Energy X-ray Absorptiometry:二重エネルギーX線吸収測定)法を用いて腰椎と大腿骨頚部の骨密度測定・解析をおこなっています。これにより骨密度の状態を正確に評価し、骨折の予防や健康維持に役立てることができます。
