病院案内
令和5年度

医療の質指標

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 16 29 68 167 180 131
定義

令和5年4月1日から令和6年3月31日に退院された患者様のうち、一般病棟に入院歴がある患者数を10歳刻みの年齢で集計したものです90歳以上は1つの階級としています。

解説

病院のある島根県益田市の高い高齢化率を反映した分布になっています。最多階級は80歳代(前年最多階級70歳代)で、全体の約30%を占めています。70歳代以上が全体の約80%を占め、ご高齢の患者様が多いことがわかります。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 35 74.54 20.60 2.80% 86.60  
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 21 23.43 13.52 7.69% 85.00  
100380xxxxxxxx 体液量減少症 11 17.27 10.60 0.00% 88.54  
050130xx9900x0 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし等 転院以外 17.38  
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 処置2なし 18.65  
定義

各診療科別に患者数の多かった傷病の分類について、DPCコード、分類の名称、患者数、平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を掲載しています(「患者用パス」とは「入院から退院までの診療計画」のことです)。

解説

上位1位から4位までは前年度と同様のものとなっています。
平均年齢からもわかるようにご高齢の患者様が多いため、「誤嚥性肺炎」が多くなっています。誤嚥(ごえん)とは、唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことをいいます。その食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こる肺炎です。
主に抗菌薬による治療を行いますが、併せて当院では言語聴覚療法士による嚥下訓練や歯科衛生士による口腔ケアも行っています。また必要に応じて医師、看護師、薬剤師、管理栄養士など多くのスタッフが集まり、治療のサポートを行います。
「腎臓または尿路の感染症」(腎臓、腎盂、尿路などの感染症)は免疫力の低下などから尿の通り道に細菌が入り、発熱等がみられる病気です。主に抗菌薬による治療を行います。
「体液量減少症」とは、体内の水分量が不足したときに起こる「脱水症」等のことです。主に点滴で水分や電解質を補給します。
心臓の機能が低下して、体に十分な血液を送り出せなくなった状態を「心不全」と呼びます。むくみやその他心不全に伴う症状(呼吸困難や息切れ、動悸等)を改善するための薬物療法を行っています。
「間質性肺炎」は、さまざまな原因から肺胞壁に炎症や損傷がおこり、肺胞壁が厚く硬くなり(線維化)、ガス交換がうまくできなくなる病気です。原因が明らかなものと、不明なものがあり、それによって治療法も異なります。

いずれの場合も、入院治療を必要とした主な傷病の治療が終わった後、必要に応じてリハビリテーションや在宅復帰の準備、療養を目的に転棟の上、入院を継続する場合もあります。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x7xx 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 手術なし アバスチン等 18 3.39 4.72 0.00% 77.50  
060020xx9907xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし サイラムザ 17 2.88 6.49 0.00% 76.41  
060020xx9909xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし オプジーボ等 12 5.33 6.29 0.00% 75.66  
180040xx97x0xx 手術・処置等の合併症 手術あり 処置2なし 10 226.10 12.20 0.00% 64.80  
060035xx99x7xx 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 手術なし アービタックス等 4.72  
解説

上位5位の内、4つの症例が、「悪性腫瘍の化学療法あり」となっています。
DPC名称の後ろについている「アバスチン等」「サイラムザ」「オプジーボ等」「アービタックス等」とは化学療法で使用される抗がん剤の種類のことです。
化学療法を目的とした入院ですので、平均在院日数が短くなっています。
患者様やご家族が安全に安心して抗がん剤治療をうけることができるよう、医師を始め、病棟看護師や、必要に応じて多職種で連携しています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工関節置換術等 29 32.69 25.5 37.90% 88.59  
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし 15 46.13 19.34 13.30% 87.20  
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 12 8.92 4.76 0.00% 65.92  
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 処置2なし 19.27  
160760xx97xx1x 前腕の骨折 手術あり 脊椎骨粗鬆症 7.54  
解説

「股関節・大腿近位の骨折」大腿骨頚部や転子部の骨折に対し、手術を行った患者様が最も多いです。ご高齢の患者様が多いため、骨粗しょう症などにより骨が弱くなっていると、骨折しやすくなります。当院では、手術の他に骨粗しょう症の評価と治療を行い、再骨折予防に努めています。また、早期にリハビリテーションを行い、離床と歩行の訓練を行います。
続いて「胸椎、腰椎以下骨折損傷」胸椎や腰椎の骨折等の患者様が多くなっています。治療はコルセット等を装着して骨折部の安静を図り、骨癒合を得ます。
そして、「前腕の骨折 手術あり」前腕(肘から手首までの部分)の骨折が3位と5位にあります。いずれも早期にリハビリテーションを行い、日常生活に困らないよう訓練を行います。
「骨盤損傷」は骨盤部(仙骨・坐骨、恥骨等)の骨折です。治療はコルセットを装着し保存的治療を行っていきます。

多くが、リハビリテーションや在宅復帰の準備・療養のため転棟する場合もあるため平均在院日数が長くなっています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 26 2 14
大腸癌 26 26 2 9
乳癌 14 2 18
肺癌   2 8
肝癌 2 9

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

定義

5大がんと呼ばれる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの患者数を初発のUICC病期分類別、および再発にわけて集計しています。
UICC(国際対がん連合)が定めた腫瘍の病期分類があり、T(原発腫瘍の拡がり)、N(所属リンパ節転移の有無と拡がり)、M(遠隔転移の有無)を評価し、それを指標にがんの進行度と拡がりの程度を、一度に表わすことが出来るように作られたものがStage分類です。
Stage分類は、がんの進行状態を示すものであり、0期からⅣ期の5つに分類されます。0期に近いほど、がんが小さくとどまっている状態であり、Ⅳ期に近いほどがんが広がっている状態となります。

解説

当院では化学療法を始め、緩和医療やターミナルケアの割合も多く、ステージの進んだ症例が多い傾向となっています。医師を始め、緩和ケア認定看護師と病棟看護師、多職種で患者様とご家族に寄り添ったケアの提供を目指しています。患者様やご家族がその人らしく生活しながら治療が継続できるよう支援しています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 10 29.67 81.78
重症
超重症
不明
定義

入院のきっかけとなった傷病名および入院中の最も主要な傷病名が「成人市中肺炎」にあたる、重症度別患者数、平均在院日数、平均年齢です。(誤嚥性肺炎は除外しています。)
重症度分類はA-DROPスコアを用い、軽度~超重症の4段階で表記しています。重症度分類の各因子が一つでも不明な場合は「不明」と分類しています。

肺炎の重症度分類(A-DROP)
  1. 男性70歳以上、女性75歳以上
  2. BUN(尿素窒素) 21mg/dL以上、または脱水あり
  3. SpO2(酸素飽和度) 90%以下
    (PaO2〈動脈血酸素分圧〉 60Torr以下)
  4. 意識障害あり
  5. 血圧(収縮期)90mmHg以下

※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。

軽 症:0点の場合。
中等症:1~2点の場合。
重 症:3点の場合。
超重症:4~5点の場合。
ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
不 明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

解説

成人市中肺炎の罹患者のほとんどは高齢者です。重症度で見ると患者数が最も多いのは重症度1~2点(中等症)となっています。主に抗菌薬による治療、必要に応じて酸素投与等を行います。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内
その他
定義

入院中の最も主要な傷病名が脳梗塞であったものを対象に患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しました。

患者数が10未満ののため公表していません。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿)等 24 2.63 31.41 29.16 89.13  
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 18 62.94 363.28 0.17 81.22
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回
K610-3 内シャント設置術
K006-31 鶏眼・胼胝切除術(露出部以外で縫合)(長径3cm未満)
K386 気管切開術
定義

各診療科別に患者数の多かった手術名称について、患者数、平均術前日数、平均術後日数(術前・術後とも手術日は含まない)、転院率、平均年齢、患者用パスを掲載しています。また、軽微とされる手術(創傷処理、皮膚切開、非観血的整復術等)は除外しています。

解説

「骨折観血的手術(大腿)」は骨折している部位を切開し、骨を正常な位置に戻した後、ワイヤーやプレート、ネジなどで固定する手術です。
「人工骨頭挿入術(股)」は大腿骨の骨頭を人工のものに置き換えるという手術です。
当院には地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟があり、手術後、必要に応じてリハビリテーションや在宅復帰の準備、療養を目的に病棟を移って、入院を継続する場合もあります。
転院率が高くなっていますが、術後に長期療養が可能な病院への転院が必要となったことや、他院入院中の患者様が手術のため当院へ転院し、状態が落ち着いたら再転院(元々入院していた病院へ再度転院すること)されたことが要因と考えられます。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 15 2.47%
異なる
定義

入院のきっかけとなった傷病名および入院中の最も主要な傷病名が「播種性血管内凝固」、「敗血症」、「その他の真菌症」、「手術・術後の合併症」について患者数をカウントし、全患者に対する発症率を算出しています。入院のきっかけとなった傷病名と入院中の最も主要な傷病名が同一か否かで集計をしています。

  • 播種性血管内凝固:感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。
  • 敗血症:感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。
  • 真菌症:真菌(カンジダ、アスペルギルスなど)による感染症です。
  • 手術・処置などの合併症 :手術や処置などにより一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。
解説

当院では、透析治療を行っています。
血液透析を行うために、透析シャント(充分な血液量が確保できるよう動脈と静脈を体内または体外で直接つなぎ合わせた血管)を使用します。
このシャントが何らかの理由で狭窄(狭くなる)や閉塞(詰まってしまう)することがあり、治療を行っていることから「手術・処置等の合併症」の件数が多くなっています。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母) 分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子) リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
79 69 87.34%

周術期の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、発生率を下げることにつながります。当院における、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率は87%でした。
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術とは、当院では主に「骨折観血的手術(大腿)」「人工骨頭挿入術(股)」「乳腺悪性腫瘍手術」等に該当します。

血液培養2セット実施率

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血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数(分子) 血液培養2セット実施率
166 156 99.98%

広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは、望ましいプラクティスとなります。 また、血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。
当院の血液培養2セットの実施率は約94%でした。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母) 分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子) 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
52 39 75.00%

抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断です。近年、難治症例が増加していることから、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。
当院の広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率は75%でした。

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※患者数が10未満の項目については公表していません。