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2017.02.01 リハビリ通信

腱板損傷について

腱板損傷とは?

 まず「腱板」について説明します。腱板とは肩甲骨と上腕骨を繋いでいる筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉)の総称のことで肩の関節を安定させる働きがあります。これらの筋肉の一部が損傷すると、夜間に痛みが生じたり、運動時に腕を挙げたりした際に痛みが生じます。これを腱板損傷といいます。また、腱板損傷を放置してしまうと腱板断裂に繋がるリスクが高まり、腕が上がらなくなる、上がっても力が入らない、夜間の痛み、強い運動時の痛みが生じます。
 

腱板損傷は見逃しやすい・・?

 整形外科ではレントゲンなど画像検査を活用しますが、腱板はレントゲンに写りません。そのため、症状が類似している「五十肩」として診断されることもありました。近年ではMRIを利用し、損傷の部位を正確に調べる事が出来るようになりましたが、腱板は損傷されていても腕は上がりますので、肩の痛みを左程気にせず病院を受診しないという患者さんを散見する事があります。
 

腱板損傷になりやすい要因とは?

・転倒時に肩をぶつける等の外傷によるもの。
・肩を頻回に動かす(野球やバトミントン等のスポーツ・家事動作等)
・年齢を重ねる事による筋力の低下
 

腱板損傷を予防するには

 スポーツなどで肩を頻回に使う事が多い方は、必ず準備運動や日常生活にストレッチ運動を取り入れる、痛みを感じたら休みを多く取る事が大切です。また、高齢の方は筋力が落ちやすいので、日常生活に短い時間でも構いませんので肩の運動を取り入れて頂ければと思います。下記に簡単な運度を紹介します。
 

腱板筋の筋力訓練

1:小円筋・棘下筋の筋力訓練

①肘を90°程度に曲げて肘が脇に付くようにします。

 

②肘を付けたまま、腕を外側に移動させます。この時、重りや水の入ったペットボトルを手に持つ、チューブ等弾力のある物を壁に付けて引っ張るように運動する事でさらなる運動効果が期待できます。

 

2:肩甲下筋の筋力訓練

①肘を90°程度に曲げて肘が脇に付くようにします。
②肘を付けたまま、腕を内側に移動させます。上の訓練と同様に重りやチューブを利用するとさらなる効果が期待できます。

 

3:棘上筋の筋力訓練

①重りや水の入ったペットボトルを手に持ち、腕を真横から肩の高さまで挙げます。
②腕を保持したまま5秒程数えたら、腕をゆっくり下ろします。

 

※各運動は20回程度を目安に実施してみて下さい。疲れが出てくるようなら最初は10回に数を減らしたり、10回を2セット行ったりするなど回数を調節してみて下さい。また、肩に痛みが生じるようであれば運動は控えて下さい。
 

終わりに

 肩の痛みというのは何も腱板損傷だけとは限らず、五十肩や筋の炎症、骨折等様々な要因が考えられますので、かかりつけの医師やリハビリ専門職にご相談ください。

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