医師会病院

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2011.04.04 リハビリ通信

床からの立ち座りについて

私たちが生活する中で和室には必ず畳が敷かれており、畳からの立ち座りは日常的に行うことの多い動作です。しかし、身体機能が低下するとこれらの動作は困難になってきますし、介助する側にとっても動作の流れを知っておかないと介助量が増大してしまいます。そこで今回は、床からの立ち座りについて書いてみようと思います。
 

なぜ難しいのか

単に力が弱っているからだけではなく、床から立ち上がる際の、身体の向きや力を入れる方向などを忘れてしまうことが動作を困難にしてしまいます。
 

楽な立ち座り方のポイントと手順

立ち座りしやすい動作の方法は疾患等により変わりますが、楽な立ち座り方の例をあげてみました。

ポイント:身体をねじって四つ這いになり、両手を伸ばし高這い位になります。そこから片手ずつ床から手を離し、立ち上がります。
 



 

①長座位の状態で体の横に手をつきます。
②体をねじって四つ這いになります。
③片膝を立てます。
④もう一方の膝を立て高這い位の姿勢になります。
⑤片手を床から離して膝に置き、反対の手も同じように膝に置き立ち上がります。
 ※座る時はこの逆の手順です。
 ※畳には目があるため、滑らないように注意しましょう。
 

片麻痺の方の場合は…

ポイント:基本的な立ち座りの方法は楽な立ち座りの方法と同じですが、麻痺側の手は使えない事が多いので四つ這い位の姿勢はとりません。そのかわり、非麻痺側の手、膝、麻痺側の足の3点で支える姿勢になります。
 



 

①長座位の姿勢になります。
②非麻痺側の手を床につけて体を支え、非麻痺側の脚はあぐらを組むように曲げていきます。
③非麻痺側の足の力でお尻を上げ、非麻痺側の手、膝、麻痺側の足の3点で支えます。
④非麻痺側の膝を立て高這い位の姿勢になります。
⑤非麻痺側の手を体に引き寄せ上体を起こしはじめます。
⑥完全に上体を起こし、麻痺側の脚を非麻痺側の脚に引き寄せます。
 

力が足りない場合は…

力が足りない場合は台を使って立ち上がったり、介助を要したりします。
それでも動作の困難な場合は昇降座椅子を検討してみるのも良いかもしれません。
今回は、楽な立ち座りの一例をあげましたが動作方法や介助方法はその方によって様々です。
ご質問等ありましたら理学療法士・作業療法士までお問い合わせ下さい。

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