医師会病院

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2016.08.01 リハビリ通信

運動のすすめ

 現代社会は、車の普及やデスクワークなどで運動不足になってしまう人が多いといわれています。内臓脂肪症候群とも呼ばれるメタボリック症候群や、運動機能の低下により「立つ」「歩く」といった機能が低下するロコモティブシンドローなどを耳にしたことがある人も多いと思います。運動の秋の到来です、普段から運動不足を感じている人は、一念発起して運動を始めてみませんか。
 

運動不足になると

 運動習慣がある人とない人の間には、思っている以上の差があるようです。例えば、
・運動習慣がない人達のがんでの死亡率は、平均的な人達の2倍以上、積極的に行っている人達の4倍近くになる。
・運動習慣がないグループは、あるグループの人たちと比較して、脳梗塞の危険度は2倍以上、心臓病の危険度は2倍程度になる。
・運動習慣がない人達の大腿骨警部骨折の危険度は4割増しになる。
・認知症や抑うつ状態になる確率も運動習慣がない人達の方が高い。
 

 運動不足は高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の原因となりやすいことが分かっています。生活習慣病は、日本人の死因の上位を占める、「がん」「脳卒中」「心臓病」との関連も強く、これらの大きな病気の予防のためにも運動は非常に重要です。
また、太もも前側の筋肉は、病気や怪我により寝たきりに近い生活をすると2日で1%程度減少すると言われています。これは、通常の加齢による変化の一年分に相当します。
 

運動の効果

運動の効果はとても多くのものがあります。
・心臓と肺の機能を高め、血液の循環や柔軟性を良くする
・骨を丈夫にする
・筋力を高める
・関節を柔軟にする
・脳への刺激が脳細胞を活性化する
・新陳代謝の向上や体脂肪の燃焼
・心身の老化を防ぐ
・免疫力を高める
・気分転換・ストレス解消
 

運動の選び方

 一般的には、ストレッチなどの柔軟体操や、比較的楽と感じる強さで長く続けることができる運動が良いとされています。また、三日坊主にならないように、楽しく続けることが出来ることも重要になってきます。ご自身の体力と相談して、無理なく長く続けることが出来るような運動を見つけましょう。
 

運動の注意点

 運動中の突然死は、60歳以上で見ると「ランニング」よりも「ゴルフ」の方が高いようです。自分の体力に合った運動を、その日の体調に合わせて行いましょう。また、どんなに強度の低い運動であっても、運動前にストレッチなどの準備体操を行いうことも重要です。運動を行う際の主な注意点としては以下のようなものがあります。
・睡眠不足や体調がいつもと違う時には無理をしない。
・前回行った運動の疲れが残っていると感じる時には無理をしない。
・夏場は涼しい時間帯に、冬場は暖かい時間帯に行う。
・極端な空腹時や食事直後(30分以内)の運動は避ける。
・運動前・運動中・運動後の水分補給をこまめに行う(のどが渇いてから飲むのでは遅い)。
・運動中に気分が悪くなったり、体調不良を感じたら運動を中止する。
・一緒に運動をする人がいる時には、多少の体調不良があっても無理をしてしまいがちです。お互いに顔色や息切れなどを注意し合いましょう。
 

 運動は、健康的な生活を送るためにはとても大切なものです。しかし、無理をすれば怪我や病気を起こしてしまう危険もあります。必要に応じて医師に相談しながら、楽しく体を動かす習慣をつけましょう。
 

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