医師会病院

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2017.08.01 リハビリ通信

嚥下造影検査(VF)について

嚥下造影検査(VF)とは?

 脳梗塞やパーキンソン病等の疾患や加齢等が要因となり、食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなることを「嚥下障害」といいますが、この「嚥下障害」について詳しく調べることのできる検査の一つに、「嚥下造影検査(以下、VF)」があります。
この検査は、健康診断で行われるあの胃の透視検査と同じように、レントゲン透視装置を用い、バリウム等の造影剤を混ぜた模擬食品を食べたり飲んだりする様子を、映像として記録・観察するものです。某服薬ゼリーのCMで、この検査による映像が使われていたので、ご覧になったことのある方もおられるかもしれませんね。
 通常、食べ物が口に入った後は、どのようにのどや食道を通るのか、また誤嚥があるのかどうかは、いくら目を凝らして見ても外からはわかりませんが、VFにより、口やのど等、各部分の動きや食物の流れを確認しながら、なぜ飲み込めないのか、誤嚥の危険性があるのか、などを評価することができます。そして同時に、姿勢や食物形態を調整しながら、どうすればうまく食べられるのかについても検討していきます。

写真1:VF画像。嚥下後、のど(喉頭蓋谷)に食べ物が残っている様子
 

医師会病院でのVF検査状況

 医師会病院では、年間約30件のVFを実施しています。入院中の患者様、医師会訪問リハやくにさき苑の利用者様、その他リハ科外来で嚥下機能評価の依頼やご相談をお受けした方を対象に行っています。
検査中は医師、放射線技師、言語聴覚士、看護師が同席して行います。可能な時は、患者様のご家族に別室で検査の様子と映像を見て頂きながら、病状の説明を行っています。
 ちなみに、模擬食品は、栄養管理室に協力して頂き、食べやすく仕上がっていますよ。

写真2:実際の検査装置。今年度中にVF用車椅子が導入される予定
 

最後に…身近に潜む病気・誤嚥性肺炎について

 誤嚥性肺炎は、嚥下機能や咳反射の低下のために、唾液や食べ物、胃液などと一緒に口の中の細菌が気管内に入り込むことで発症します。現在、日本人の死亡原因の第3位が肺炎、また誤嚥が原因となる肺炎は70歳以上では70%にもなるといわれています。
歯磨き(特に寝る前)をして口の中をきれいに保つこと、声を出して歌ったりお喋りをし、のどの筋肉を保つこと、しっかり食べて体を動かし体力を保つことが誤嚥性肺炎の予防につながります。
 毎日の積み重ねが大切です。心がけていきたいですね!

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