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時々こんな質問を耳にします。答えを出す前に少し五十肩の説明をしましょう。 江戸時代から“五十腕”“長命病”とも呼ばれ、『50才頃に生じ、肩を中心とした痛みを主症状に経過し、急性時には痛みが強く次第に動きが悪くなり、慢性時には頑固な運動制限と痛みがある』状態に用いられてきた言葉です。つまり肩の痛みから始まり徐々に肩を動かせなくなっていく病気といえます。50才頃に多いというだけで、どの年代でも起こり得ます。加齢に加えて、肩に負担がかかる仕事や生活習慣のある場合に多く発生するというコトも言われていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
普通半年~1年、人によっては2~3年位続きます。急性期には痛みのために、腕の運動が急ブレーキをかけられたように制限されます。腕を挙げた拍子に強い痛みが走る、髪を洗ったり、上着を着たりする動作ができなくなる。慢性期には痛みが軽くなる代わりに肩のこわばりがおこり、肩の運動障害が一層強くなります。痛みが生じるからといって、動かさないでいると凍結肩(凍結したように動かない肩)になってしまいます。
Ⅰ)急性期 急に「肩が痛くて腕が上がらない」症状が発生してから、2~3日間は安静にするようにして下さい。横になると強く痛む時は、上半身を起こした姿勢で眠るなどして下さい。ただ、必要以上に安静にすると逆効果になるので気を付けて下さい。
Ⅱ)慢性期 4~5日過ぎて痛みが軽くなってきたら、温めてよく動かして下さい。動かさないと癒着が広がり、肩はどんどん動かなくなっていきます。後遺症を残さない為にも、この時期はとにかくしっかり動かした方が良いのです。
①ダンベル体操 ダンベルでもペットボトルでもある程度の重さがあるモノを袋に入れたり、紐を掛けたりして指先に引っ掛けます。そして少し前かがみになって円を描くように振るだけです。肩が引っ張られているような感覚があれば、それでOKです。
②壁這い運動 壁に向かって腕を前に伸ばし、人差し指と中指の先で交互に尺取虫のように壁を這い上がります。指先だけに力を入れるようにして下さい
病院では痛み止めの薬やシップ、肩の注射なども組み合わせて痛み・炎症を抑え、運動を行うようにします。そうすることで関節のまわりの癒着が減って、『動く範囲が少なくなる』という後遺症も残しにくくなるのです。 但し、首、肩から手指に痛みが走るなどの場合には神経の障害、不快で漠然とした肩の痛みが出る時には内臓の疾患の場合がありますので注意しなければなりません。
最初に書いた問いの答えは、五十肩の痛みは何もしなくても治りますが、後遺症を残さない為には早期の診断と適切な治療や運動療法が必要、ということになります。「痛肩(いたかった)」は治る余地がありますが「固肩(かたかった)」は治療自体困難になってしまいますのでそうならないようにすることが一番重要です。
文責 文責 整形外科 東 英治 (イラストは日本整形学会パンフレット「五十肩(肩関節周囲炎)」より引用)
島根県益田市遠田町1917-2
島根県益田市遠田町1956-8