湿度が低くなり、空気が乾燥する秋から冬の季節には、肌から水分が蒸発しやすい環境に置かれ、乾燥肌を起こしやすくなります。乾燥肌とは、皮膚の一番外側の角質層の水分が少なくなったり、皮脂の分泌が少なくなることから、皮膚の表面が乾燥した状態になることをいいます。
肌の乾燥を防ぐには、バランスのよい食生活を基本に、角質層からの水分蒸発を防いで肌を潤す栄養成分をしっかりとることが大切です。
 

○ビタミンA（レチノール・カロテン）
皮膚や粘膜の潤いを維持し、新陳代謝を促す働きを持っているビタミン。油と一緒にとると吸収されやすくなります。
食品例：レバー、乳製品、卵、うなぎ、アナゴ、緑黄色野菜など
 

○たんぱく質
皮膚の角質細胞の形成材料のひとつであり、皮膚のバリア機能を守るためには良質なたんぱく質が必要です。
食品例：肉類、魚類、卵、大豆、大豆製品、乳製品など
 

○脂質
エネルギー源になると同時に細胞の膜や血管を作る働きをもっており、不足すると皮膚が弱くなり、カサツキの原因となってしまいます。肉や卵、乳製品など動物性食品に含まれる飽和脂肪酸と植物油やごま、ナッツ類などの植物性食品や魚に含まれる不飽和脂肪酸があります。
 

○セラミド
皮膚の角質層に存在する細胞間脂質の一種で、皮膚を外部刺激から守り水分を保持する働きがあります。セラミド配合の化粧品もありますが、セラミドを含む食品で内側から摂取することも効果的です。
食品例：こんにゃく芋に豊富に含まれ、生芋から作られたこんにゃくがよい、黒豆、ひじき、黒ごま、ほうれん草、牛乳など
 

栄養ニュース54号PDF