栄養ニュース22号「食べやすい介護食の作り方②」
食べやすい介護食の作り方②
ものを食べた時に、食道にうまく飲み込めず間違って食道と隣り合っている気管に入りそうになると、それを排出しようとして「むせ」が起こります。むせて排出できる場合はよいのですが、誤って食べ物を喉に詰まらせて窒息状態に陥ったり、誤嚥を起こすことにより誤嚥性肺炎になる恐れがあるので注意が必要です。
①サラサラした水分状のもの
(味噌汁、ジュースなど)
②酸味の強すぎるもの
(酢の物、柑橘類、柑橘系ジュース、梅干しなど)
③水分の少ないもの
(食パン、カステラ、焼いも、卵の黄身、きな粉など)
④口の中で付着しやすいもの
(わかめ、のり、青菜類など)
⑤口の中でまとまりにくいもの
(炒めた挽き肉、小さく刻んだものなど)
食事作りのポイント
☆適度にとろみを付ける
料理をあんかけにしたり、煮汁にとろみを付けたりすれば、口の中でまとまりやすくなり、むせにくくなります。水分でむせやすい場合は、飲み物や汁物はとろみ茶、くず湯やくず汁にするなどとろみを付けてみましょう。とろみを付けるものには、でんぷん(片栗粉、コーンスターチ、くず粉など)や嚥下食用の増粘剤などがあります。だだし、使いすぎてどろっとしすぎると、かえってむせやすい場合もありますので注意しましょう。
☆口当たりのよいものを
なめらかで軟らかい食べ物は飲み込みやすくなります。フードプロセッサーやすりばちなどの調理道具を使ってペースト状にしたり、さらにゼラチンや寒天、嚥下食用の増粘剤を加え加熱してゼリー状にすると喉ごしもよくなります。また、口の中でまとまりにくく、残りやすいものは、つなぎとして山芋や油脂類(油、マヨネ―ズや練りゴマなど)、卵などを活用すると食べやすくなります。
口当たりなめらかな一品
かぼちゃのがんもどき(1人前)
かぼちゃ…40g
木綿豆腐…80g
山芋……….10g
塩…………..0.5g
片栗粉……大さじ1/2
片栗粉……適量
揚げ油…..適量
作り方
1.かぼちゃと山芋は皮をむいて適当な大きさに切り、電子レンジで加熱して軟らかくします。
2.水切りした豆腐と①をフードプロッセサーにかけ、さらに※を入れ混ぜ合わせます。
3.2等分に分けて小判型にし、片栗粉をつけて揚げます。
4.だし50cc、しょうゆ・酒・砂糖(各小さじ1/2)、塩少々を鍋に入れて火にかけ、水溶き片栗粉でトロミをつけます。
5.③に④をかけて、盛り付ければ出来上がりです。
食事の時の姿勢も大切
食事する時の姿勢によっても、ムセや誤嚥を起こることがありますので、充分気を配りましょう。かかとを床に付けた前かがみの姿勢が理想的です。寝たきりの方でも、ベッドからできるだけ上半身を起こし、首を軽く前屈した姿勢で食べるようにしましょう。