栄養ニュース17号「貧血」
貧血
高齢者は、調理や買い物が十分できない場合、食事内容が偏ったり、量が不足したりしがちで低栄養や貧血になりがちです。今回は貧血についてまとめました。
貧血の大部分は鉄欠乏性貧血
血液中のヘモグロビンが少ない状態が貧血です。ヘモグロビンは体中に酸素を運ぶ働きをするため、貧血になると全身が酸素不足になります。このため、頭痛やめまい、なんとなく身体がだるい、消化不良などの症状がでます。上記のような症状があれば、まず、主治医の先生に相談して診断を受けましょう。貧血のほとんどはヘモグロビンの材料である鉄分が不足するためにおこる鉄欠乏性貧血です。
鉄欠乏性貧血の治療は・・・
高度な貧血の場合、食事の改善と鉄剤内服との食事療法・薬物療法をおこないます。また、鉄鍋など鉄でできた調理用品を使うのもよいでしょう。
鉄分たっぷり!食事のポイント
①まずは鉄分補給を!
食品に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。魚や肉に含まれる鉄分が「ヘム鉄」で、腸管からの吸収にすぐれています。野菜や穀類に含まれるのが「非ヘム鉄」で、吸収されにくいのですが、動物性たんぱくやビタミンCと一緒にとるなどすると吸収がよくなります。
【鉄分の多い食品】
食品 | 1回量 | 鉄含有量(㎎) | 食品 | 1回量 | 鉄含有量(㎎) |
---|---|---|---|---|---|
鶏レバー | 60g | 5.4 | 納豆 | 1パック(40g) | 1.3 |
しじみ | 汁1杯(15個) | 4.0 | 豆腐(木綿) | 1/4丁( 100g) | 0.9 |
牛もも赤身肉 | 60g | 1.6 | ほうれん草 (ゆで) |
80g | 0.7 |
まぐろ・赤身 | 80g | 1.4 | ひじき(乾) | 5g | 2.8 |
②血や体を作るもと”たんぱく質”の補給とバランスのよい食事を
血液は鉄だけでなく、たんぱく質・ビタミンなどから作られています。これらを十分にとるには、いろいろなものを偏りなく食べることが大事!!やはり『主食+主菜+副菜』のバランスで3食とることが大事です。
③高齢者は胃液の分泌も衰えます。おいしく楽しく食べることが大切!
歯の状態を良くし、しっかり咀嚼し、胃液が食物に作用するようにしましょう。好物を食べておいしいと感じることで吸収もアップします。
④一人暮らしや買い物が大変なときは食材料の宅配、配食サービスなどの利用もおすすめです。
貧血予防・改善メニュ
レバー豆腐炒め(2人前)
鶏レバー60g
木綿豆腐1/2丁
ほうれん草40g
千切り生生姜少々
砂糖小さじ1
しょうゆ小さじ2
塩・こしょう適量
作り方
1.レバーは臭み抜きをする。木綿豆腐は食べやすい大きさに切り、ほうれん草はゆでておく。
2.油で千切り生姜少々、鶏レバーを炒め、塩・こしょう少々で味付けをし、豆腐、ほうれん草を入れ、砂糖・しょうゆで味をととのえる。
※ エネルギー:140kcal
※鉄:4.1mg