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2005.10.30 栄養ニュース

栄養ニュース15号「栄養ケア①」

栄養ケア①

介護保険制度は平成18年4月から「介護予防」に重点を置いたものに一部改正されます。そしてそれに先立ち今年10月から介護保険施設では基本食事サービス費等の廃止と共に栄養ケア・マネジメントによる栄養管理がスタートし、入所者様の低栄養を予防することに重点が置かれることになりました。「介護予防」には①運動機能の向上②栄養改善③口腔機能の向上という3つの柱がありますが、このうち「栄養改善=低栄養予防」についてまとめました。
 

低栄養(タンパク質・エネルギー低栄養:PEMとは?


人間が生きていくために重要なたんぱく質と活動するためのエネルギーが不足した状態です。加齢に伴う口腔機能の低下、なんらかの病気が原因で嚥下障害があったり、食欲不振が続いたりすることで起こります。食事摂取量が適量確保できないため、体重減少が起こることがしばしばあります。施設や在宅での高齢者の方には30~40%の低栄養リスク者が存在すると言われます。
 

低栄養になるとどうなる?


日常生活の様々な動作が低下し、やがて寝たきりの状態を招くことになります。また、感染症や合併症も誘発しやすく死亡率も低栄養でない人よりも高くなっています。病院の滞在日数が延長したり、医薬品の使用量が増大するなど本人はもちろん家族にも大きな負担となってしまいます。
 

低栄養を早期発見すために(栄養スクリーニング)


1.血清アルブミン値を測定します。
 血清アルブミン値が3.5g/dl以下の場合は低栄養の危険あり。
2.体重を測定します。
 通常の体重より、3%以上体重減少があった場合は低栄養の危険あり。(3ヶ月で3%以上:中等度 7.5%以上:高度)
 例)通常43kgであるが3ヵ月後37kgに減少した場合 (43-37)/43×100=14.0%減少 (危険度高度)
3.食事のとり方を観察します
 たんぱく質やエネルギーの補給源である主食・主菜の取り方が少なくなったらその原因を考えると共に、医師や管理栄養士に相談をしましょう。
 

施設における栄養ケアとは?
入所時利用者様・家族様の栄養状態や食事に関する要望をお聞かせください。その後、栄養スクリーニングを行い危険度を(低・中・高)の3段階に分け要望や課題に基づいた栄養ケア計画を立て、実施させていただきます。
 ↓
危険度に合わせ定期的に評価をし、修正が必要な場合は再度計画を立て実施します。
 ↓
退所時、居宅での栄養ケアの必要がある利用者様には栄養ケア計画を作成し説明いたします。
 

※居宅での食事に関しての相談がある方は上記栄養士にご相談ください。栄養補助食品の紹介等もいたします

 

次回、栄養ニュース16号では、「予防のポイント」について詳しく御紹介します。

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