栄養ニュース13号「味覚異常!?」
味覚異常!?
寒い冬が終わり、空気がぬるんでくると、土の中からふきのとう、たらの芽、わらび、ぜんまい、竹の子などが芽を出してきます。今が旬のこれらの春野菜には独特の苦味やえぐみがあり、亜鉛やマンガンなどの微量ミネラルが豊富です。これらの栄養素が不足すると運動能力の低下や、味覚障害などを引き起こします。高齢者の味覚障害の約6割はこの亜鉛欠乏が絡んでいるといわれています。今回は味覚異常について取り上げました。
高齢者の 味覚に関するあれこれ
・味を認識するための舌の上にある「味らい」という細胞は年をとるとともに減少してしまい、味を感じにくくなります。
・高齢者は唾液の量が減ってきます。唾液には味の分子を溶かす作用がありますが、唾液が減ることで味が分かりにくくなります。
・舌や口の中の粘膜は新陳代謝が激しく10日くらいで新しい細胞に変わります。このときに亜鉛が必要です。
・食事量が減ったり、かたよった食事になってしまうと、亜鉛が不足したり、吸収が悪くなってしまいます。
亜鉛の1日の必要量は??
成人の1日の目安量(推奨量)は7~9mgです(厚生労働省・栄養摂取基準)
亜鉛の多い食品
食品名 | 1回量(g) | 含有量(mg) | 食品名 | 1回量(g) | 含有量(mg) |
---|---|---|---|---|---|
カキ(牡蠣) | 5個(70) | 9.2 | 牛肉(もも) | 40 | 1.6 |
たらばかに(ゆで) | 60 | 2.5 | 牛レバー | 30 | 1.3 |
たらこ | 1腹(30) | 0.9 | 豚肉(もも) | 60 | 1.2 |
いわしみりん干し | 20 | 0.7 | 卵 | 1個(50) | 0.7 |
チーズ | 1枚(20 | 0.6 | ![]() 野菜はおおむね50gあたり0.1mgです。 たけのこ 0.6mg わらび 0.3mg ぜんまい 0.2mg など多く含まれています。 |
||
わかめ(乾) | 3 | 0.1 | |||
ごま | 大さじ1(8) | 0.4 |
たけのこハンバーグ
(1人分)
たけのこ(ゆで)…25g
木綿豆腐………….30g
長いも…………….15g
鶏ひき肉…………20g
卵…………………..5g
薄口しょうゆ….1g
油………………….3g
酒………………….少々
作り方
1.たけのこは粗く刻み水気を絞った豆腐、長いもと一緒にフードプロセッサーにかけ、ひき肉、卵、しょうゆを加え再度かける。
2.①をハンバーグ型にまとめ、油を熱したフライパンで両面をこんがり焼く。最後に、酒を振り入れふたをして蒸し焼きにする。
3.だし50cc、しょうゆ3g、みりん1g、しょうが汁少々と片栗粉を鍋に入れ火にかけてあんを作り、かける。
また、床ずれができやすい人は、亜鉛をしっかりとることが傷を治すのに大切です。
食事は主食+主菜+副菜のバランスでとり、プラスαで亜鉛の多い食品をとり入れましょう。