医師会病院

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2023.08.01 リハビリ通信

むせない水分補給

今年も暑い夏がやってきました。皆さんはしっかり水分補給は行っていますか?人間の体は60%が水分で出来ています。体内の2%の水分を失うと脱水症状が現れ、20%を失うと死に至るそうです。水分補給は大事ですね。
 

しかし、水分を摂ろうにも「ムセてしまい飲みにくい!」という方、ご自身やご家族でいらっしゃいませんか?水分は流れるスピードが速いため、飲み込む準備ができる前に流れ込んでしまい、気道に入りムセてしまいやすいのです。高齢者になるほど飲む準備が遅くなりムセやすくなります。
 

そこで今回は、水分を上手に摂る方法をご紹介いたします。
 

① 顎を引く


水を飲む際、顎を上げたまま飲んでいませんか。顎を上げた状態のままでは、喉と気道が一直線になるため、水分が気道に入りやすくなります。つまり、顎を引けば、喉と気道に角度がついて気道に入りにくくなります。飲む前に軽くうなずくようにしてみましょう。

 

② 温度を下げる


実は人間の体温に近い温度のものは飲み込みの反射が起こりにくいのです。逆に冷たい飲み物は飲み込みを誘発しやすいためムセにくくなります。飲み物に氷を入れたり冷蔵庫で冷やしたりしてみましょう。

 

③ トロミをつける


トロミをつけることでまとまった形状となり、流れ込むスピードも遅くなるため飲み込む準備に間に合いやすくなります。トロミをつける方法としては主に以下の2つがあります。
 ・水溶き片栗粉
 ・増粘剤
 

片栗粉は過熱する必要があり主に温かい物にしかトロミがつけられませんが、ご家庭にあるため手軽に試すことができます。コーンスターチでもOK。
増粘剤は温かい物にも冷たい物にも簡単にトロミがつけられます。もしかしたらご家族の中でも使っているという方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、トロミは付ければ良いというわけではなく、粘性が強いと逆に飲み込みにくくなり、ムセの原因となってしまうこともあります。個人に合った強度に調節しご使用ください。
 

今回は簡単に取り入れられる、飲み込みやすさに着目した水分摂取方法をご紹介させていただきました。毎日十分に水分を摂り、今年の夏も乗り切りましょう!

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