益田市医師会

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HEALTH INFORMATION医師会からの健康情報

2004.07.05

熱中症について

今年は5月から記録的な猛暑が続いていますので、これから夏場にかけて熱中症に注意が必要です。
熱中症とは熱けいれん、熱疲労、熱射病など発汗によってミネラルを失ったり、人体の放熱機能がうまく働かないときに出る症状です。
 

熱けいれん
汗をかいた時にけいれんを起こすことがあります。
汗とともに塩分が失われ電解質バランスが崩れて、激しい筋肉痛やけいれんに見舞われます。3mlの汗をかけば9~12mgの塩分を失います。水分だけ補給しても効果はありません。食塩が入っているスポーツドリンクなどを摂るといいでしょう。
 

熱疲労
暑いときは体の熱を逃がすために、皮膚表面の毛細血管が拡張して血流量が増えます。そのため心臓に戻る血液量が減少し、心臓から十分な血液が全身に送ることができなくなり、血圧低下や脱力などショック症状が出ます。酸素欠乏でもあるわけですから、頭の血流量を確保するために頭部を低くして、横になって安静にする必要があります。
 

熱射病
熱射病とよく似た言葉に日射病があります。
日射病は強い直射日光を浴びて体温がどんどん高くなり、意識を失ったりする状態です。一方、熱射病は日に直接当たらなくても、多湿、無風のため汗をかいても体が冷やされず、体内で作られる熱がうまく体外に放出できなくなった状態です。そのため通常ならば37℃に保たれている体温が40℃以上に上がってしまって、脳の中枢神経に障害が出る病気です。
 


熱射病、日射病とも症状は同じで、めまいや頭痛、耳なり、汗が止まって熱い乾いた肌になる。やがてもうろうとして意識を失います。そのような場合には冷たいタオルで拭いたり風を送ったりして体温を下げます。体温が41℃以上に上がると死亡するケースも珍しくありません。
 

乾燥した気候ですと、汗がすぐに蒸発して気化熱が奪われるので、高気温のわりには熱射病になりにくいのですが、湿度が高くなると危険です。過去には気温二十数度で熱中症になった人もいます。蒸し暑いと感じたら注意しましょう。 
 

文責 斎藤 誠一郎

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