くにさき苑

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2012.06.01 栄養ニュース

栄養ニュース40号「特集 嚥下障害食①」

「嚥下」とは、食べ物や飲み物を飲み下すことをいいます。脳血管障害の後遺症やパーキンソン病、認知症、また、老化などが原因で「飲み込めない」「飲みづらい」状態を「嚥下障害」といいます。
嚥下障害食は、摂食・嚥下障害の重症度やどの過程の障害が主体であるかを考慮しながら、通常の食事の形態を変えて食べやすく飲み込みやすく工夫した食事です。当苑でも利用者様の嚥下状態に合わせ様々な嚥下障害食を提供していますが、今回はその中からトロミ食の作り方を紹介します。
 

食事の基本


嚥下食の場合も通常の食事と同じように主食+主菜+副菜のバランスで3~4品をめやすに摂取できるとよいでしょう。また、不足しやすい栄養や水分を補給するため、介護負担を軽くするためにも市販のゼリーやプリン、栄養補助食品なども利用するといいでしょう。
 

増粘剤を使用したトロミ食の作り方



トロミをつけるには、片栗粉やゼラチン、くず粉、増粘剤などがあります。増粘剤は、加熱する必要がなく混ぜるだけで簡単にトロミが付くので当苑でも使用しています。
 

主菜、副菜などのおかず

1.軟らかい食材を中心に用い、軟らかい料理を作ります。
※タケノコ、ごぼう、こんにゃく、海藻など硬く噛み切りにくいものは控えます。
※煮る、蒸す、茹でるなど軟らかい調理方法がよいです。
 

2.出来上がった料理をミキサーやフードプロセッサーなどにかけ、粒がなくなるまで撹拌してペースト状にします。
※水分が少ない場合は、煮汁やだし汁などを適宜加えて撹拌します。

ペースト状の状態で冷凍保存しておき、必要時解凍して調理すると便利です。

 

3.器に取り出し、増粘剤を少しずつ加えてよく混ぜ、食べやすいトロミ状に仕上げます。
 

増粘剤は、商品によりとろみのつき方、味などが違いますので、好みや用途に合わせて選択するとよいでしょう。また、嚥下状態によって安全で食べやすい粘度は異なりなすので、医師や言語聴覚士などの指示に従って適切なトロミになるよう調整しましょう。
 

お茶やジュースなど液体のもの

液体にトロミ増粘剤を加えながら、トロミが安定するまで混ぜます。
 

当苑のトロミ食の例


※全て増粘剤を加えています
 

次回はゼリー食の作り方を特集します。

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