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2011.10.01 栄養ニュース

栄養ニュース38号「貧血」

高齢者は、食事内容が偏ったり、量が不足したりと食事がきちんと摂れていない場合、低栄養や貧血になっていることがあります。今回は貧血についてまとめました。
 

貧血の大部分は鉄欠乏性貧血


血液中のヘモグロビンが少ない状態が貧血です。ヘモグロビンは体中に酸素を運ぶ働きをするため、貧血になると全身が酸素不足になります。このため、頭痛やめまい、なんとなく身体がだるい、消化不良などの症状がでます。上記のような症状があれば、まず、主治医の先生に相談して診断を受けましょう。貧血のほとんどはヘモグロビンの材料である鉄分が不足するためにおこる鉄欠乏性貧血です。
高度な貧血の場合、食事の改善と鉄剤内服との食事療法・薬物療法をおこないます。また、鉄鍋など鉄でできた調理用品を使うのもよいでしょう。
 

鉄分たっぷり!食事のポイント


1.規則正しくバランスのよい食事を

 

2.鉄を含む食品をしっかりとる!
食品に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。魚や肉に含まれる鉄分が「ヘム鉄」で、腸管からの吸収にすぐれています。野菜や穀類に含まれるのが「非ヘム鉄」で、吸収されにくいのですが、食べ合わせ方しだいで吸収率をアップさせることができます。


 

3.食べ合わせで吸収率をアップさせる!
■鉄の吸収率を高めるもの
たんぱく質やビタミンCは鉄の吸収を助けてくれます。たんぱく質は造血機能にも欠かせません。良質なたんぱく質源の肉や魚、卵や乳製品、豆製品などや、ビタミンCを多く含む緑黄色野菜や果物、芋などを積極的にとりましょう。吸収されにくい非ヘム鉄は、肉や魚と調理したり、新鮮な果物と一緒に摂るように心がけましょう。
■鉄の吸収を阻害するもの
コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げます。貧血が強い場合は、タンニンを多く含む飲み物は食事とは時間をずらして飲むようにするとよいでしょう。また、麦茶やほうじ茶、ウーロン茶などはタンニンが多くないのでおすすめです。
 

4.高齢者は胃液の分泌も衰えます。おいしく楽しく食べることが大切!
歯の状態を良くし、しっかり咀嚼し、胃液が食物に作用するようにしましょう。好物を食べておいしいと感じることで吸収もアップします。

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