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2023.04.01 リハビリ通信

「自動車運転」について

 最近暖かくなって過ごしやすい季節になってまいりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。桜も咲く季節になってドライブをされる方もいるのではないでしょうか。今日はそんな運転について話をしたいと思います。
 

「自動車運転」は脳梗塞や脳出血などの病気によって控えた方が良いこともあります。
控えた方が良い理由には自覚しやすい影響自覚しにくい影響の2種類あります。
 

・自覚しやすい影響としては運動麻痺や視野障害があります。
・自覚しにくい影響としては高次脳機能障害による半側空間無視(片側を意識しづらくなる)や意識障害、判断力や注意力の低下が見られます。
特に運転については自覚しづらい影響が運転に関係することが意外と多いです。
 

例1)注意障害

 

「気が散りやすい」「続けることができない」「同時に複数のことができない」など
〇同時に複数のことに注意を払うことができず、車線変更や交差点右左折で人や障害物、車に気付けない 〇運転中に疲れやすい… など
 

例2)半側空間無視

 

〇バック駐車の時に左側をぶつけてしまう
〇交差点で左折する時に横断歩行者に気付けない…など
 

 平成14年6月に道路交通法が改正となり、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血等の病気を患い、安全運転に必要な認知・予測・判断・操作に問題が生じた場合、免許取り消し・停止となる場合があります。全ての方に適応する訳ではないですが、医療機関での診断を経て、運転免許センターでの可否判定が必要となる場合があります。主治医や運転免許センターに許可されていない状況で事故を起こした際には保険が満額支給されない場合もあるそうです。
 加えて、平成26年6月の道路交通法の改正では運転免許取得や運転免許更新を申請する際に「一定の病気」に該当するかどうかを判断するために質問票を交付する事になりました。一定の病気には脳卒中・認知症・てんかんなどが含まれます。虚偽の回答をした際は1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
 

「自動車運転」は現代社会において必要とされることが多いですが、自他ともに危険が隣り合わせであることも承知の通りです。脳血管疾患を患い運転再開を考えておられる方はまずかかりつけ医に相談して頂ければと思います。

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