医師会病院

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2021.08.16 リハビリ通信

高齢者に多い手首の骨折について

1)はじめに

 骨粗しょう症などにより、微力な力で骨折してしまう脆弱性骨折というものがあります。高齢化がすすみ聞いたことがある骨折もあるかと思います。高齢者に多い骨折は3つあり、1)脊椎の圧迫骨折、2)大腿骨の骨折、3)橈骨遠位端骨折(手首)が挙げられます。今回は橈骨遠位端骨折について紹介したいと思います。
 

2)橈骨とは?

 肘から手首の間に2本の骨があり、それぞれ橈骨と尺骨と呼ばれています。

 

3)橈骨遠位端骨折について

 男性より女性が多く、年齢が増すごとに発生率が増す骨折です。
 男性では転落や交通事故などによる高エネルギー骨折、女性では転倒して手をつくなどの低エネルギー骨折が多いとされています。また屋外での受傷が多く時期は冬季に多いようです。
 

4)治療

 手術にてプレートを挿入するか、ギプス固定で約3~6週間の固定が必要です。
 当院では手術後は基本的にはリハビリを実施しています。固定期間後に動きづらくなったと紹介にてリハビリをさせていただくこともあります。
 

5)リハビリにて気を付けていること

 受傷後や手術後は腫れや痛みが強く現れます。手術後のリハビリではまず「手を着かない」「ものを持たない」ことを指導し、腫れを引かせることを第一に考えます。腫れを引かせるためには①手を心臓より高い位置に挙げる、②指の運動をすることが大切です。痛みが強く動かせないとは思いますが、手を挙げることとできる範囲で指を動かすことは大切です。ギプス固定期間でも指先の運動はできると思いますので、できる範囲でやってみてください。
 

6)最後に

 橈骨遠位端骨折は高齢者で女性に多い骨折です。受傷原因も転倒により手を着いたことが原因になることがほとんどです。さらに橈骨遠位端骨折を受傷後にそのほかの脆弱性骨折を引き起こす可能性が高いともいわれています。そのため転倒予防を心がけることがとても大切になってきます。
 過去のリハビリ通信の記事にも運動についての記事もあります。見てみてください。

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