益田市医師会

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HEALTH INFORMATION医師会からの健康情報

2019.10.24

子宮頸がん予防ワクチンの接種について

本会は、公益社団法人日本産婦人科学会ホームページに掲載されています「子宮頸がんとHPVワクチンに関する最新の知識と正しい理解のために」を賛同し、子宮頸がんの予防およびこの病気の撲滅を皆様と共に目指していくべきと考えています。

公益社団法人益田市医師会

 

【子宮頸がんについて】

子宮頸がんは、発がん性HPV(ヒトパピローマウイルス)感染が原因となって発症します。HPV 感染は特別なことではなく、女性であれば誰でも感染する可能性があります。感染しても多くの場合ウイルスは自然に排除されますが、ごく一部で数年から十数年かけて前がん病変の状態を経て子宮頸がんを発症します。
 

【子宮頸がん予防ワクチンについて】

子宮頸がん予防ワクチンは、2 種類あります。子宮頸がんから多くみつかるHPV16型、18型の2つのタイプの発がん性HPV の感染を防ぐことができるサーバリックスと、HPV16型、18型の発がん性HPVに加え、尖圭コンジローマの原因となる発がん性を持たないHPV6型、11型の4つのタイプのHPV感染を防ぐことができるガーダシルです。どちらもすべての発がん性HPVの感染を防ぐものではありません。
予防効果については、現在も観察が続けられていますが、3回きちんと接種することで、長期にわたって持続することが推計されています。
予防ワクチンを接種しても、発がん性HPVの感染を100%予防することはできませんので、ワクチンを接種した後も20 歳をすぎたら定期的な子宮頸がん検診を受けましょう。
 

【ワクチン接種の間隔】

子宮頸がん予防ワクチンを接種する前後に、別の予防接種を受ける場合は、下記を参考にしてください。

 

【次の方は接種を受けないでください】

① 明らかに発熱している方(通常は37.5℃を超える場合)。
② 重い急性疾患にかかっている方。
③ 子宮頸がん予防ワクチンの成分(詳しくは医師にお尋ねください)によって過敏症(通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応を含む)をおこしたことがある方。
④ その他、かかりつけの医師に予防接種を受けないほうがよいと言われた方。
 

【次の方は接種前に医師にご相談ください】

① 血小板が少ない方や出血しやすい方。
② 心臓病、腎臓病、肝臓病、血液疾患、発育障害などで治療を受けている人。
③ 過去に予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた方。
④ 過去にけいれん(ひきつけ)をおこしたことがある方。
⑤ 過去に免疫状態の異常を指摘されたことのある方、もしくは近親者に先天性免疫不全症の方がいる方。
⑥ 妊婦あるいは妊娠している可能性のある方(3回の接種の途中で妊娠した場合、接種は継続できません)。
⑦ 現在、授乳中の方。
⑧ 違う種類のHPVワクチンの接種を受けたことがある方
 

【予防接種による健康被害救済制度について】

○定期予防接種(予防接種法に基づくもの)
予防接種によって引き起こされた副反応により、医療機関での治療が必要となり、生活に支障がでるような障がいを残すなどの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく補償を受けることができます。
健康被害の程度等に応じて、法律で定められた金額が支給されます。ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因(予防接種をする前あるいは後に紛れ込んだ感染症あるいは別の原因等)によるものなのかの因果関係を、予防接種・感染症医療・法律等、各分野の専門家からなる国の審査会にて審議し、予防接種によるものと認定された場合に補償を受けることができます。
※給付申請の必要が生じた場合には、診察した医師、お住まいの市町村予防接種担当課へご相談ください。
※現在子宮頸がん予防ワクチンの接種を、積極的にはお勧めしていません。接種にあたっては、有効性とリスクを理解した上で受けてください。
 

【子宮頸がん予防ワクチン接種後に通常みられる副反応】

サーバリックス ガーダシル
頻度10%以上 かゆみ、注射部分の痛み・赤み・腫れ、胃腸症状(吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など)、筋肉痛、関節痛、頭痛、疲労 注射部分の痛み・赤み・腫れ
頻度1~10%未満 発疹、じんましん、注射部分のしこり、めまい、発熱、上気道感染 発熱、注射部分のかゆみ・出血・不快感、頭痛
頻度0.1~1%未満 注射部分のピリピリ感・ムズムズ感 注射部分のしこり、手足の痛み、筋肉が硬くなる、下痢、腹痛、白血球数増加
頻度不明 失神・血管迷走神経反応(息苦しい、息切れ、動悸、気を失うなど)、リンパ節症 無力症、寒気、疲労、倦怠感、血腫、失神、浮動性めまい、関節痛、筋肉痛、嘔吐、吐き気、リンパ節症、蜂巣炎

 

【子宮頸がん予防ワクチン接種後にまれにみられる重い副反応】

まれに、アナフィラキシー様症状(血管浮腫、じんましん、呼吸困難など)や、ギラン・バレー症候群(下から上に向かう両足のまひ)、血小板減少性紫斑病(鼻血、歯ぐき出血、月経出血増加など)、急性散在性脳脊髄炎(まひ、知覚・運動障害など)があらわれることがあります。
 

【ワクチン接種後の注意】

① 接種後に急な副反応や血管迷走神経反射として失神が起こることがあるので、接種後はすぐに帰宅せず、30分程度は座って様子をみてください。
② 接種後は、接種部位を軽くおさえ、もまないようにしてください。
③ 接種後は、接種部位を清潔に保ちましょう。
④ 接種当日の入浴は問題ありませんが、接種部位をこすることはやめましょう。
⑤ 接種後24 時間は、激しい運動を控えましょう。
⑥ 接種後1 週間は症状に注意し、気になる症状があるときは医師の診察を受けてください。
 

【保護者が同伴できない場合について】

予防接種実施にあたっては、お子様の健康状態をよく知っている保護者が同伴することが原則です。ただし、保護者及び本人がこの説明文の記載事項をよく読み理解し、納得して接種を受けることを希望される場合に、予診票に保護者が自ら署名することによって、保護者が同伴しなくても予防接種を受けることができます。不明な点がある時は、かかりつけ医や市町村役場にお問い合わせいただき、十分納得したうえで接種しましょう。

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