医師会病院

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2019.06.01 リハビリ通信

楽しく園芸活動

はじめに

新緑の季節も過ぎ、景色は初夏にむけて変化し始めています。いろとりどりの花や植物、畑には季節のお野菜ができ始めています。それらを見ていると、自然と笑顔になったり、心が軽くなったり、お腹が空いてきませんか。花やお野菜を育てていく園芸活動は、私たちの体に様々な影響を及ぼしてくれています。
 

園芸活動がもたらす効果

〇心身機能の賦活・向上
 花や食物を植える際には、土起こしや種まき、水やり、棒を立てて食物が倒れることを防ぐ、収穫するなど、生長に合わせて対応をしていきます。それらの活動を行うために、クワを持ち打ち込んだり、しゃがんだり、前かがみになったり座ったりと姿勢を変えながら、作業を行います。これらの作業活動を行っていく中で自然と体が動き廃用予防や機能回復へと繋がっていきます。また体を動かすことで、適度に疲れ、お腹も減り、眠たくなります。食欲増進や睡眠にも繋がるなど、よりよい効果が生まれます。
 

〇精神面での安定
 一生懸命に作業を行うことによって気分転換やストレスを発散することができます。うまく栽培ができると喜びと達成感が増し、自信がついてきます。また人にできた花やお野菜を喜ばれると、孤独感から解放され、更に「またいい物を作ろう」、「よりいい物を作ろう」といったように生きがいへと繋がっていきます。
 

〇社会性の獲得・向上
 お世話をしていく中で、困ったことがあれば他者へ相談したり、収穫したものを贈呈することで喜びと同時に会話のきっかけとなり、コミュニケーションが図りやすくなります。また共同での作業では協調性や譲り合いなどの必要な社会性を身に着けることもできます。
 

〇知的側面での効果
 花や食物を作っていくことに必要な知識や手段などを習得、思い出すなどの作業で脳へも刺激となります。また季節や月日などを把握することで、見当識や記憶面へも働きかけ、認知症予防にも繋がります。
 

まとめ

以上のように園芸活動では、様々な効果が得られると考えられています。収穫できたお野菜は味わうという楽しみもあります。「見る」「聞く」「触る」「嗅ぐ」「味わう」の五感をフル活用でき、お腹も心も満たされる活動のひとつだと思います。外に出ることが難しい時には、部屋の中でグラスの中に土を入れ、そこで植物のお世話をするなど、無理なくできる自分に合った方法や手段を選んで、楽しく園芸ができるといいですね。
 

さいごに

私自身、実は重度の腰痛もちで、長時間しゃがんでの作業はできません…。そんな私に利用者様が「座ってやればいいじゃない」との一言!!とても楽に作業もできて、足もしびれず、長時間の作業も気にならない便利グッズを教えていただきました。これは市販品ですが、お尻が納まるくらいの板にキャスターを付けて畑の中を移動できるようご自身で作成された方もおられました。是非、みなさまも苦なく楽しく作業ができるような道具も活用しながら楽しく作業を行ってみてください!
 

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