転倒予防を心がけよう
はじめに
『近頃よく転んでしまう』とお悩みの方もおられると思います。また、この冬の時期は特に多発する傾向にあります。今回は、高齢の方の転倒の原因や、転倒予防対策についてご紹介します。
転倒の頻度
まず、高齢の方がどのくらいの頻度で転ぶのかですが、65歳以上高齢者の3人に1人は1年間に1回以上は転倒するといわれています。また、性別では女性は男性より転倒発生率が高く、高齢になるほど率が高くなります。そして、転倒・骨折は主要な要介護要因と1つとなっております。寝たきりを避けるためにも転倒予防を心がけましょう。
転倒の要因とその対策
転倒の要因としては身体的要因や環境要因があります。
【身体的要因として】
①加齢による筋力低下・姿勢変化・反射の低下・視力低下・聴覚低下・感覚低下など
②ご病気による影響(起立性低血圧・不整脈・心不全・脳血管障害・認知症・末しょう神経障害・骨粗しょう症・変形性脊椎症など)
③服薬による影響
これらは、高齢になるほど要因が増すためすぐに改善することは困難なものが多いです。しかし、家の中で運動することでこれらの機能低下の予防することが可能です。
○立ち上がり運動
太ももの筋力を強化しましょう。階段昇降などに不可欠です。
1セット10~15回、2セット行いましょう
○片足立ち運動
バランス能力を向上する運動です。
片足ずつ1セット10秒、10セット~15セット行いましょう
これらの運動を無理のない範囲でできれば定期的に行い、体の健康を保ちましょう。また、歩く時は、つま先をできるだけ上に向けるようにし、踵(かかと)から接地するように心がけることで、床や地面にあるものにつまずいたり、ひっかりにくくなります。
次に、外的要因ですが、転倒場所として、庭の次に居間といった自宅内での転倒の割合が多いです。また、転倒場面ではつまずき、滑り、踏み外しといった足元のトラブルで発生しているケースが7割を超えています。特に、敷居やカーペットの淵、電気コードなどの軽微な障害物や床面の落ちている衣類・紙類で滑るケースが多いです。これらは生活環境の整備など目に見える形の対策が取りやすいと思いますので、ご自宅の環境をまずチェックして各自で改善していきましょう。
最後に
転倒は不健康期間を作り出してしまうきっかけの大きな原因です。適切な対策をとり、より長い健康状態を保ちましょう。皆様がご自宅で健康的で幸せな期間が長く過ごせることを願っております。